8月10日16時。中国西部の直轄市重慶から飛行機で3時間あまり。北京首都国際空港に着陸した。飛行機は滑走路をゆっくりと走行していく。携帯電話の電源をオンにした。
日本情報に異常に感度の高い中国メディア
メールを確認すると、「貴国政府首相談話を発表。飛行機から降り次第要電話。今晩は絶対スタジオに来るように!」
筆者がコメンテーターを担当する中国中央電子台CCTV「環球視線GLOBAL WATCH」ディレクターからのメールだった。
「何で空の上にいること知ってるんだ?」
若干の違和感を覚えつつも、言われた通り折り返し電話した。いつものように、21時45分CCTV東門集合、22時30分からの生中継解説に備えてほしいとのことだった。
日本国内政治に関するニュースを中国の記者から知らされることが多い。筆者が怠慢、鈍感であることが第1の理由であるが、それにしても中国メディアの反応の早さにはいつも驚かされる。
日本国内に数万のネットワークを持ち24時間体制で情報収集
ニュースチェックがマメという意味だけではない。日本国内に数万に及ぶネットワークを張り巡らし、24時間体制で本国に報告しているのだ。
「日本内政に関する情報は我が国にとって核心的に重要」。中国共産党の某インテリジェンスオフィサーは筆者に語った。
菅直人総理大臣は「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明」という、歴史を直視し、未来を志向する談話を発表した。
1995年時にアジア諸国向けに表明した「村山談話」を想起させるが、今回は「日韓併合100年」という歴史の節目、対大韓民国、であった。