北朝鮮では金正日(キム・ジョンイル)労働党総書記の有力な後継者とされる三男ジョンウン氏への権力継承の準備作業がヤマ場に差し掛かっている模様だ。
2010年9月上旬に招集が決まった労働党の「党代表者会」で、ジョンウン氏が党幹部に登用されるかどうかが最大の焦点。金正日総書記の健康悪化がささやかれる中、「金王朝」の3代目継承問題は北朝鮮という国家の行方を左右する試金石となる。
「代表者会」で人事決定
ジョンウン氏への権力継承も間近? 北朝鮮の夕刊紙・文化日報2009年6月に掲載した、ジョンウン氏とみられる写真〔AFPBB News〕
あまり聞きなれない「党代表者会」とは、いかなる会合なのか?
党規約によれば、「代表者会」は党大会と党大会の間に招集され、党の路線や政策などに関する緊急課題を決定するほか、党中央委員会委員を補選することができる。
肝心の「党大会」は本来5年ごとに開くことになっているが、実際には1980年10月の第6回大会以降開かれていない。つまり、金総書記が金日成(キム・イルソン)主席の後継者に正式決定したのが、最後の党大会なのだ。そして、「党代表者会」が開かれるのは58年、66年に続く3回目で、実に、44年ぶり。
第6回党大会を祝う祝賀会に出席した故・金日成国家主席と金正日氏。5年に1度開かれるはずの党大会は、この時以来、開かれていない〔AFPBB News〕
国権の最高機関である労働党が、これほど久方ぶりに重要会議を開催するのは、後継者の正統性を高める上でも党の手続きが必要になった──と考えて間違いないだろう。
代表者会の注目ポイントは、党の最高幹部である政治局常務委員や政治局員に誰が選ばれるのかだ。
30年前の第6回党大会で選ばれた5人の常務委員のうち、4人は既に他界し、唯一残っているのは金総書記だけ。代表者会では、ジョンウン氏が政治局常務委員に選出され、正式に後継者としてデビューするとの観測が出ているほか、総書記の義弟である張成沢(チャン・ソンテク)党行政部長らも選出される可能性が強い。中央委員ら党幹部の若返りも図り、ジョンウン体制に向けた地ならしが行われる見通しだ。
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