米IDCが公表したパソコン市場の最新リポートによると、今年7~9月期における世界出荷台数(速報値)は7850万台となり、1年前に比べ1.7%減少した。

 ただ、この減少率は同社の事前予測値である4.1%減よりも小幅。新興国市場は低迷したが、北米や欧州の一部の地域で顕著な改善が見られ、市場全体を牽引したという。

「パソコン市場に緩やかな回復の兆候」

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米アップルのiMac〔AFPBB News

 IDCによると、米マイクロソフトの「ウィンドウズXP」サポート終了に伴う買い替え需要は一段落した。

 だが、景気見通しの改善、タブレット端末の市場飽和によるパソコンへの回帰、低価格ノートパソコンの販売増といったことが、ここ最近のポジティブなトレンドだという。

 別の調査会社である米ガートナーも最新リポートをまとめている。こちらの出荷台数は7940万台で、1年前から0.5%減少した。

 IDCによると、世界のパソコン出荷台数は10四半期で前年割れが続いている。一方ガートナーよると、今年1~3月期まで8四半期連続で前年実績を下回り、その後0.1%増と、わずかながら増加に転じ、7~9月期は小幅な減少にとどまった。

 パソコンは、西欧と北米市場が好調に推移しており、「(このことは)世界市場全体の緩やかな回復の兆候と考えられる」(ガートナー)という。

 ガートナーの主席アナリスト、北川美佳子氏によると、成熟国市場では幅広い消費者層でタブレット端末の普及がピークに達しており、消費者の関心は緩やかながらパソコンに戻りつつある。

 これに対し、新興国市場ではパソコンを買う余裕のある消費者層で、その普及率がピークに達している。