米アップルの新型アイフォーン(iPhone)の中国での発売がついに決まった。同社は9月30日、中国の3大通信事業者である中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国電信(チャイナ・テレコム)が、10月17日に「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」の取り扱いを始めると発表した。事前予約は1週間前の10月10日から受け付けるという。
当局の懸念を払拭
これに先立ち、中国メディアの「TechWeb.COM.CN」は、アップル小売店のメモを入手したと伝えていた。それによると、同国のアップル小売店では顧客が実際に触って試せる見本機を10月7日に店頭に並べ、同時にこの日から従業員トレーニングと商品準備も始める。
アップルは9月19日に、米国や日本、香港など世界10カ国・地域で新型アイフォーンを発売した。また同月26日は第2弾として欧州各国、ロシア、ニュージーランド、台湾などの約20カ国・地域で販売開始した。
だが、当初予定されていた中国本土については、発売日が分からなかった。アップルはその理由について明らかにしていないが、中国メディアによると、同国で新型アイフォーンの認可が下りていなかったことが原因という。
国営メディアの新華社によると、iPhone 6 と同 6 Plus は「中国強制製品認証(CCC: China Compulsory Certification)」と呼ばれる製品基準適合証と電波免許を取得していたが、もう1つの許可も必要だった。
そうした中、工業情報省は9月30日、中国のネットワークにアクセスするために必要な免許を iPhone 6 と同 6 Plus に付与したと発表した。同省が懸念していたセキュリティとデータプライバシーの問題にアップルが対処したことが、その理由という。
10~12月期の販売台数、6000万台超に?
これにより、アップルは世界最大のスマートフォン市場で新モデルを販売できることになった。とりわけ画面サイズの大きな端末は中国の消費者に人気がある。韓国サムスン電子や中国メーカーとの競争が激化する中、アップルは新モデルの市場投入で中国のシェアを拡大したい考えだ。
カナダBMOキャピタルマーケッツのアナリスト、キース・バックマン氏が予測する今年10~12月期におけるアイフォーンの世界販売台数は5800万台。ただしこれは新モデルが11月半ばに中国で発売された場合の予測値。10月初めに発売された場合は、これから300万~500万台増えると同氏は予測している。