「HPの取締役会は最悪の人事決定をした」――。

米HP情報漏えい調査問題で公聴会 - 米国

米HP社CEO兼会長のマーク・ハード氏〔AFPBB News

 セクシュアルハラスメントに絡む問題があったとして米ヒューレット・パッカード(HP)のマーク・ハード会長兼最高経営責任者(CEO)に辞任を求めた同社取締役会を、米オラクルのラリー・エリソンCEOが非難している。

 米ニューヨーク・タイムズの8月9日付の記事によると、エリソンCEOは同紙に電子メールを送り、その中で「HPの取締役会は重大なミスを犯した」と述べた。

 同氏は、過去に米アップルの取締役会がスティーブ・ジョブズ氏を解雇したことを例に出し、「今回のHPの人事決定はその時以来の最悪なもの」と批判。

 「当時のアップルの決定はその後同社を崩壊寸前という状況に導いた。もしジョブズがアップルに復帰していなかったらアップルは崩壊していただろう」(エリソン氏)

HP、詳細公表せず、真相は謎のまま

 HPは8月6日、元契約社員によるセクハラの訴えを受けて行った社内調査の結果、ハード氏の行動は同社のセクハラ規定に違反するものではなかったが、社内の行動規範に反していたとし、同氏が辞任したことを明らかにした

 HPは詳細について公表していないが、欧米のメディアは元契約社員との食事代や、出張旅費などに関して不適切な経費報告があったと伝えている。

 ニューヨーク・タイムズの記事を見る限り、今回の辞任劇にはハード氏と取締役会の間に対立があったということが分かるが、ことの真相は謎のままである。