有力産金業界団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の統計によると、中国本土の宝飾品・投資需要は2013年に前年比32%増の1065.8トンと過去最高を記録、インドを追い抜き世界最大の金需要国となった。
2013年、世界最大の金需要国に
中国の金需要が急増した要因は金価格急落だ。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物価格が2013年4月15日、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和の早期縮小観測の台頭などで前日比140.30ドル安と、1日の下落幅としては1980年1月22日(143.50ドル)以来約33年3カ月ぶりとなる史上2番目の落ち込みを記録した。
金価格の急落でアジアでは熱狂的な金買いが起こり、中国本土の主な金輸入先のシンガポールや香港などでは延べ棒や金貨が店頭で品切れ状態となった。
中国国内でも金製品を買い求める人が殺到し、「ゴールドラッシュ」を引き起こした。「4月中旬の金価格急落で、中国大媽(中国のおばさん)が10日間で300トン以上の金を購入した」との報道や、5月初旬のメーデー3連休時には来客数が通常の1.5倍となった店舗もあった。
こうした金需要急増は、香港政府統計局の「中国本土の香港からの金輸入量」データにおいても裏づけされている。