米アップルは9月19日に、日本を含む世界10カ国・地域で、新型スマートフォン「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」を発売する。だがこの初回発売国のリストには、なぜか中国が入っていない。
中国のアップルストアも寝耳に水
一昨年まで、中国における新型アイフォーンの発売日は、米国や日本などより3カ月遅れていたが、昨年発売した「5s」と「5c」でアップルは初めて中国を初回発売国に加えた。
中国は世界最大のスマートフォン市場。アップルは今年もそうしたかったはず。だが、これには中国当局から許可が得られなかったという事情があったようだと米メディアは伝えている。
米ニューヨーク・タイムズによると、アップルは新製品発表イベントを開催した9月9日に、中国移動(チャイナ・モバイル)を含む同国の通信事業者3社に、9月19日の発売を取りやめると連絡したという。
中国移動は新モデル正式発表の1週間前からインターネットで予約受付を開始するなど、すでに販売キャンペーンを始めていた。また北京と上海にあるアップルの直営店も、19日の発売に向けて準備を進めていた。この直前の計画中止にスタッフは当惑したようだと同紙は伝えている。
アップルはこの件に関し、「まだ準備が整っていないことがいくつかある」とだけ説明し、詳細は明らかにしていない。そうした中、中国のメディアが「中国工業情報省(Ministry of Industry and Information Technology)がまだ認可を出していない」と伝えた。
米企業への警戒強める中国
中国工業情報省の電気通信設備認証センターは昨年8月、アイフォーンが中国移動の通信ネットワークを利用するために必要な免許をアップルに付与した。これにより中国移動もアイフォーンを販売できるようになった。
中国では、加入者ベースで同国第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)が2009年から、第3位の中国電信(チャイナ・テレコム)が2012年からアイフォーンを販売していたが、それまで同国1位の中国移動は販売していなかった。