米アマゾン・ドットコムは9月8日、同社のスマートフォン「ファイア(Fire)」の価格を大幅に値下げすると発表した

米アマゾンのスマホ「ファイア」、スキャンで商品購入や3D画面

米アマゾンのスマートフォン「ファイア」〔AFPBB News

 ファイアにはストレージ容量が32GBのモデルと64GBのモデルがあるが、前者の価格をこれまでの199ドルから99セントに、後者を299ドルから99ドルに引き下げた。

 いずれも200ドルほどの値下げになるが、とりわけ前者は「1ドル」というインパクトのある価格。

 いずれも期間限定で、年額99ドルの会員制サービス「アマゾン・プライム」が1年間無料になる特典を付けるとしており、その気前の良さには驚かされると話題になっている。

アマゾン初のスマホ、差異化を図るも出足は鈍い

 同社初の自社ブランドスマートフォンであるファイアは、7月下旬に米国で販売を開始した。かねての噂通り、3D表示やジェスチャー操作機能、画像・音声を認識し商品カタログと連携する機能などを備えており、他社端末との差異化を図っている。

 だが、米ニューヨーク・タイムズや米ウォールストリート・ジャーナルなどによると、この値下げ戦略には、端末の売れ行きが芳しくないという背景がある。

 例えばオンライン広告サービスを手がける米チティカ(Chitika)によると、販売開始から20日後のファイアの利用シェアはわずか0.02%だった。同じ条件で計測した韓国サムスン電子の「ギャラクシー(Galaxy)S5」はその約17倍。ファイアのシェアはその後伸びが止まったと同社は報告している。

 アマゾンは同社製端末の販売実績を公表していないが、アナリストらは当初、年末までに200万~300万台が販売されると予測していた。