8月の末、大学同期(筆者は女子大出身)の団体メッセージに「偽ギブス」の写真が送られてきた。写真の下には「今度の秋夕(韓国のお盆)の必須アイテム」と書かれていた。
それを見た友人はそれぞれに「足用はないの?」「右手には必須だね」とか言っている。何の話かと言うと、通常はハロウィンやパーティー用に使われる「偽ギブス」に、最近は韓国の主婦たちのオーダーが殺到して売り切れ続出ということである。
韓国のお盆は嫁にとって地獄の季節
韓国では旧暦でお盆を祝い、その前後の日も休日になるので毎年連休を迎えて帰省ラッシュが始まる。今年は秋夕は日曜日で、いつもなら休日が減るが今年から適用される振替休日があり、9月6日(土)から10日(水)までの大型連休になる。
連休が始まる前から嫁同士の神経戦が始まる。
ラジオ番組のお悩み相談コーナーでは、「長男の嫁が今度のお盆にどうしても会社の仕事が忙しくて帰省できないと言ってたんだけど、本当は整形手術の都合で行けないらしい。これを知った私は黙ってるべきでしょうか、それとも義理の母に言いつけるべきでしょうか」などと子供同士の喧嘩のような相談が大真面目に行われる。
また、「子供が米国に留学しており、新学期を迎えて学校に帰るので付き添いで行ってくる」という理由で、帰省しないのだがこれをどうしたらいいのか・・・。
このように悩める主婦たちは自分はどうすればこの難から逃れることができるのかを必死で考えるのだ。はたまた、子供が高校3年生だからとか、子供の勉強を理由にして、帰省しない嫁たちも増えてきた。
お盆を控えたこの季節、お盆用のプレゼントの宅配サービスが多くなるにつれソウルの渋滞もひどくなる。また、お盆の墓参りの前に男たちは先に墓の芝刈りに出かけることもある。
最近はお墓を作る場所が少なくなり減ってはいるが、ご先祖様のお墓はいまだに土饅頭型の土葬だからである。土葬の墓はちょっとでも放っておくと、すぐ草がぼうぼうに生えてしまう。