海外メディアなどの情報によると、韓国サムスン電子はインドネシアに携帯電話の製造工場を建設する計画だという。
その背景には、同国をはじめとするアジア諸国市場における同社シェアの低下と、インドネシアの税制事情があるという。
人口4位の市場で地域向け端末生産へ
香港の市場調査会社、カウンターポイントテクノロジー・マーケットリサーチがまとめたインドネシアの携帯電話市場リポートによると、サムスンの同国におけるスマートフォンのシェアは、1年前の30%から22%へと低下した。
インドネシアでは米アップルのシェアも6%へと低下している。レノボ・グループ(聯想集団)などの中国メーカーや、国外ではあまり名の知られていないアドバン・デジタルなどの地元メーカーが台頭し、市場競争が激化しているという。
インドネシアの人口は約2億5000万人で、中国、インド、米国に続く世界4位。同国における昨年の携帯電話の輸入金額は28億ドルに上り、原油・石油製品に次ぐ規模だった。
そうした中、インドネシア政府は国内生産を後押しするため、価格が500万ルピア(430ドル)以上の外国製スマートフォンに対し20%の関税をかけることを検討している。
またインドネシアは人口の半数が30歳未満の若年層。その多くがいまだ最小限の機能しかない携帯電話を使用しており、高機能スマートフォンの普及率が低い。今回のサムスンの計画はこうしたインドネシアの市場環境が背景にあると見られている。
インドネシアで月産90万台目指す
英ロイター通信や米ウォールストリート・ジャーナルなどの報道によると、サムスンの広報担当者はメディアの取材に対し、「インドネシア消費者のニーズをより効率的に満たすことができるよう、同国向け製品の生産計画に関して政府関係者と協議している」と答えている。
韓国日報系の英字紙、コリア・タイムズによると、サムスンは韓国のほか、中国、ベトナムに大規模工場があり、そうした拠点で製造した製品を世界各国に輸出している。