中国国営テレビが、米アップルのアイフォーン(iPhone)を批判する報道を行ったと、複数の海外メディアが伝えている。
報道によると、中国中央電視台(CCTV)は7月11日昼の番組で、アイフォーンの基本ソフトの現行版「iOS 7」に備わる「フリークエント・ロケーションズ」という機能を取り上げ、「中国の安全保障を脅かしている」と報じた。
「国家機密さえも入手できてしまう」と中国の専門家
この機能は、iOSの設定メニューから「プライバシー」「位置情報サービス」「システムサービス」と進むと現れる項目で、日本語では「利用頻度の高い位置情報」と表記されている。
これを「オン」にしておくと、利用者が訪問した場所の位置情報や日時、訪問回数を記録する。
アップルのウェブサイト(英語/日本語)にはその説明が書かれており、「予測交通経路指定のような、利用者に合わせたサービスを提供する際に使われる」とある。
またここには「データはお使いのデバイスに保存されるだけで、同意なしにアップルには送信されません」との説明も書かれている。
だが、中央電視台は「これらのデータにアクセスできる者(アップル)は中国の経済情勢や国家機密さえも入手できてしまう」と専門家が警告を発したと報道。
このほか、「アップルによる情報漏洩が危害を及ぼす場合、同社にその責任を負わせることができるような厳格なデータ保護法を整備すべし」と中国当局者が話したとも伝えた。
「位置情報、監視していない」とアップルが反論
これを受け、アップルは中国版のウェブサイトに「あなたの位置情報に関するプライバシー」というページを設け、利用者を追跡したり、位置情報を外部と共有したりしていないと反論している。