バンクーバー新報 2014年6月19日第25号

 2017年に建国150年を迎えるカナダ。カナダ民族遺産省はその準備の一環として、カナダ史上で最も有名な人物10人などを、オンラインを通じ調査していたが、その結果が明らかにされた。

 この調査は、1万2千人の国民を対象に昨年12月から開始され、5月に終了した。

 「カナダ史上の人物で、あなたに最も影響を与えた人物は?」という問いに対して1位に輝いたのは、自由党のピエール・トルドー元首相。2位には「希望のマラソン」で知られるテリー・フォックスさんが入り、環境活動家のデビッド・スズキさんも6位に選ばれた。

 結果は次の通り。

1位:ピエール・トルドー(元首相・自由党)
2位:テリー・フォックス
3位:トミー・ダグラス(元首相・新民主党)
4位:レスター・ピアソン(元首相・自由党)
5位:クリス・ハドフィールド(宇宙飛行士)
6位:デビッド・スズキ(環境活動家)
7位:ジャック・レイトン(元新民主党党首)
8位:ジョン・マクドナルド(初代首相・保守党)
9位:ウェイン・グレツキー(元ホッケー選手)
10位:ロメオ・ダレール(元軍人、のちに上院議員・自由党)

 また、「カナダが成し遂げたことで、最も誇りに思えるものは?」という問いに対しては、医療保険システムが1位に選ばれた。2位には国際平和維持活動が、3位には1982年に制定された自由と人権憲章が選ばれた。4位以下は次の通り。

4位:第2次世界大戦参戦
5位:カナダーム(宇宙作業用ロボットアーム)
6位:多文化主義
7位:第1次世界大戦参戦
8位:2カ国語公用語主義
9位:宇宙開発
10位:1982年の憲法に関する議決

 これらの結果は、大手メディアが情報公開法に基づき入手した。民族遺産大臣シェリー・グロバー氏は、このアンケートの目的は、建国150年をどのように祝うかを調査することであり、トップ10を選出することではないとコメントしている。

 また調査に協力したメンバーはランダムであり、特定の政党や思想に偏ってはいないとも話している。たとえば、トミー・ダグラスを推した人の多くは、新民主党の政治家としてではなく、「医療保険制度の父」として彼の名前を挙げていたことを引き合いに出した。

 また建国150周年記念行事については、詳細はまだ決まっていないとグロバー大臣。ちなみに、1967年に行われた100周年記念行事にかけられた費用は、現在の価値で7億5千万ドルだった。

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