週刊NY生活 2014年7月5日496号

 グランド・セントラル・ターミナル駅パーク街入り口の改装工事が終わり6月30日、正面ロビー入口前の通用広場が「ジャクリーン・ケネディ・オナシス・フォイヤー」と命名された。

 元大統領夫人でニューヨーカーのアイコンとして著名なジャクリーン・ケネディ・オナシスさん(1929~1994)が同駅の保存活動に尽力したことを称え、功績を記したブロンズ板や、少女時代からケネディ大統領と結婚したファーストレディ時代、同駅の保存活動の姿など、その人生をスライドショーで紹介している。

 30日日午前に行われた式典には関係者約100人が集まり、70年代後半にジャクリーンさんとともに同駅の保存運動に関わった当時の国連大使や市ランドマーク保存協会会長などが「ジャッキー」と呼びながら、保存に奔走した思い出を語り、都市交通局(MTA)チェアマンのトーマス・プレンダーガスト氏のテープカットを見守った(写真)。

 出席者には、1975年2月24日の日付で当時のビームNY市長に保存を訴えた直筆の手紙のコピーが配られた。

 同駅は1871年開業。1913年に修復され、ボザール建築を施した象徴的なニューヨークのランドマークとして親しまれていたが、66年に55階建てのタワービルを建設する再開発計画が発表され、取り壊しを迫られた。この計画にジャクリーンさんは先頭に立って反対、保存運動を率いた。

 78年、連邦最高裁判所の判決により再開発計画は撤回された。

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