この原稿は現地時間で独立記念日の朝、ワシントンのダレス国際空港で書いている。7月3日には確かソウルで中韓首脳会談が開かれたはず。現に日本の7月4日付新聞では、中韓首脳合意「対日圧力で共闘」などと書かれていたが、空港で見た米国主要紙にこうした報道は見られない。いったいなぜなのだろう。
というわけで、今回は米国の首都から中韓関係を考えてみる。(文中一部敬称略)
欧米と日本で異なる報道ぶり
まずは、いつもの通り、事実関係から始めたい。欧米系メディアが報じる中韓首脳会談の見出し記事をいくつかご紹介する。
●中韓、北朝鮮の核計画に反対。両首脳、年末までの自由貿易協定締結にも合意(South Korea, China Oppose North Korea Nuclear Program、President Xi and President Park Also Agree to Strike Free-Trade Deal by Year-End 7月3日付AP)
●中韓、2国間貿易協定へ(China and South Korea poised for bilateral trade deal 7月3日付AFP)
●中韓貿易協定、大きな隔たりの克服が必要(China, South Korea trade pact must overcome wide gaps-official 7月4日付ロイター)
まだまだあるが、このくらいにしておこう。現時点で探した限り、欧米系通信社が報じた記事の大半は中韓首脳会議の経済的側面を報じたものであり、その政治的意義について詳細に報じた主要日刊紙は見当たらなかった。
イラク情勢が悪化しつつあるとはいえ、これが欧米メディアの関心レベルということなのだろうか。これに比べれば、当然ながら、日本メディアの報道ぶりは実に詳細かつ多様である。
●中韓首脳会談 地域の安定損なう「反日共闘」(7月4日付読売)
●【中韓首脳会談】蜜月演出に透ける思惑 外交孤立回避したい中国(7月3日付産経)
●影を潜める「日本批判」・・・中韓首脳会談に「不満」示す韓国メディア(7月6日付SearChina)
●北の核問題に断固反対 慰安婦問題の共同研究でも合意(7月3日付産経)
●韓国にパンダを貸与へ 習政権、「パンダ外交」活発(7月3日付産経)