米国の市場調査会社、イーマーケターが7月2日に公表したリポートによると、米国における今年の広告支出額は1801億2000万ドルとなり、昨年実績から5.3%増える見通し。
米国の広告支出額の前年比伸び率が5%を超えるのは、2004年に6.7%増を記録して以来のこと。来年以降も毎年約5%の伸びで推移し、米広告市場は2018年に2200億ドル規模にまで拡大すると同社は予測している。
米モバイル広告、前年比83%増と急成長
昨年の米広告市場の媒体種別支出額の比率(シェア)を見ると、「テレビ」が38.8%で最も高く、このあと「インターネット広告」25.2%、「印刷媒体(新聞と雑誌)」19%、「ラジオ」8.9%、「屋外広告」4.1%、「ディレクトリ広告(電話帳広告など)」4.0%と続いた。
これらのうち、今後シェアが伸びていくのはインターネット広告のみで、そのシェアは今年、28.2%に上昇する見通し。インターネット広告は、パソコン向け広告とモバイル向け広告の2つに分けられるが、市場を牽引していくのは、モバイル広告という。
同社の推計によると、今年のモバイル広告への支出額は、前年比83.0%増の177億3000万ドルとなり、米広告市場全体の9.8%を占める。
前述の通り、インターネット広告はすでに印刷媒体を上回っているが、今年はモバイル広告が初めて新聞(市場全体に占める比率9.3%)、ラジオ(同8.6%)、雑誌(同8.4%)を追い抜くという。
タブレットとスマホの利用時間が大幅増
そして、モバイル広告市場の成長を支えているのは、タブレット端末とスマートフォンの利用増大。