米IDCが6月3日に公表したパソコン市場に関する最新のリポートによると、今年の世界におけるパソコンの出荷台数は、昨年実績から6.0%減少し、2億9630万台にとどまる見通し。

アジアなどの新興国市場、今年は2桁の落ち込み

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コンピューターに革命をもたらした「マッキントッシュ」〔AFPBB News

 同社は今年の3月初旬にリポートを公表していたが、その時の予測値は前年比6.1%減の2億9590万台だった。今回予測をわずかながらも上方修正した理由は、1~3月期に西欧などの市場で回復が見られたからだという。

 ただし、アジア太平洋地域などの新興国市場は需要が低迷しており、厳しい状況が続いている。

 同社の事前予測では、新興国市場の今年の出荷台数は前年比7.8%減の1億6770万台だったが、今回これを同10.4%減の1億6300万台に下方修正した。

 新興国市場の出荷台数は今後も減少が続き、2018年までの予測期間に年間出荷台数が1億6500万台を上回ることはないと同社は見ている。

 IDCは世界のパソコン市場を、成熟国市場(米国、西欧、日本、カナダなど)と、新興国市場(日本を除くアジア太平洋地域、中南米、中・東欧、中東、アフリカなど)に分けて調査している。

 これによると、現在は、政治や経済の不安定性が新興国の多くの国々でパソコン出荷減の主な原因になっている。だがこの市場では、消費者がスマートフォンやタブレット端末などパソコン以外の機器に移行している。このことは、新興国市場で、より規模の大きい、重大な変化が起きていることを示しているという。