AsiaX(アジアエックス) 2014年5月19日

 証券外務員王と称された富豪のピーター・リム氏がスペインの名門サッカーチーム、バレンシアのオーナーになった。欧州の有力サッカーチームをシンガポール人が買収したのは初めて。

 買収総額は4億2000万ユーロ(約583億円)で、2億ユーロ(約278億円)は負債の返済、1億7000万ユーロ(約236億円)は建設中の新スタジアム工事に充当される。

 バレンシアの株式70%を所有するバレンシア・ファンデーションの理事全員がリム氏の買収提案に賛成し、売却が決まった。

 バレンシアは巨額の負債を抱えていたため有力選手を放出していた。リム氏は新選手獲得のため5000万ユーロ(約70億円)の支出を計画しており、既に2人と契約した。

 バレンシアはスペインリーグで2004年に優勝したことがあるが、その後はバルセロナとレアルマドリードが1位と2位を独占し2強時代を築いた。

 バレンシア社長のサルボ氏は、リム氏が買収を提案した昨年12月「バレンシアが抱える借金を清算する内容であり、サッカークラブに対する提案では最高の部類に属する」と、金に糸目をつけない提案であることを明らかにしていた。

 バレンシアに対しては中国やロシア企業も買収を提案していたようだ。リム氏は大のサッカーファンで、イングランド・プレミアリーグのリバプールの買収を試みたこともある。

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