ドイツ観光局の「外国人が選ぶドイツ人気観光名所トップ100(2013)」によれば、古城やバロック風の街並みが残るハイデルベルクは、8位にハイデルベルク城、12位に旧市街とアルテ橋の名が挙がるほど人気の高い観光地だ。20位内に1つの街から複数の名所がランクインするのは珍しい。

 このハイデルベルク旧市街の中心地、古城からわずか300メートルほどに位置するホステル「ロッテ・Lotte」が、今、世界中のバックパッカーたちから大きな注目を集めている。

 安価、快適、清潔、そして市内にアクセスしやすい利便性が受けて、ビジネスマンにも好評の「ロッテ」を訪問し、経営者のカルメン・シュミット(Carmen Schmid)さんに話を聞いた。

1人1泊3200円から。コーヒーやシリアル、自転車も無料で提供

旧市街の中心部コルンマルクト前にて。右に登山鉄道乗り場、左奥の黄色い壁の建物がロッテ(撮影:筆者、以下同)

 旧市街への入り口、ビスマルク広場(Bismarkplatz)から市内を流れるネッカー川と並行する中央通り(Hauptstr.)を西へ20分弱歩くと市庁舎に行き着く。

 ハイデルベルク城を見学するには、市庁舎のあるコルンマルクト(Kornmarkt)から登山鉄道に乗るか、徒歩で山道を登る。

 ロッテは、この登山鉄道乗り場のすぐ左横にある。ドアを開け階段を上った1階(日本式の2階、以下ドイツ式で説明)がレセプション。カルメンさん(41歳)は、ちょうど宿泊客に市内の観光スポットを説明しているところだった。

古城へ続く石畳の路地を進むと、ドアに「Lotte The Backpackers」のサインが

 最初に私が知りたかったのは、ホステルとユースホステルの違いだ。カルメンさんによれば、ホステルでは客がキッチンで料理をすることができる、ユースホステルではできない点だという。

 その説明を裏付けるように、共同キッチンには料理に必要な調理器具やコーヒーメーカー、冷蔵庫などが完備しており、宿泊客は自由に利用できる。冷蔵庫には、宿泊客が近くのスーパーで買ってきたヨーグルトやドイツビール、食材がたくさん詰まっていた。

 宿泊客がいつでも飲めるコーヒーやお茶が用意されている上、朝食用に数種類のシリアルも無料で提供している。