英国の市場調査会社カナリスが公表した最新のリポートによると、今年1~3月期における世界のスマートフォン出荷台数は2億7940万台で、1年前の1~3月期から29%増加した。
5インチ以上のスマホ、4.7倍に増加
このうちディスプレイのサイズが5インチ以上の大画面スマートフォンの出荷台数は同4.7倍となり、急速に増加している。世界のスマートフォン全出荷台数に占める5インチ以上の端末の比率は34%で、この数値は香港、台湾などを含むグレーターチャイナでは39%、アジア太平洋地域では43%になる。
カナリスによると、大画面スマートフォンの市場を牽引しているメーカーは韓国サムスン電子。同社のシェアはすべてのサイズの端末では31%だが、5インチ以上では44%、5.5インチ以上では53%になる。
一方で中国レノボ・グループ(聯想集団)、中国ファーウェイ(華為技術)、韓国LGエレクトロニクス、ソニーモバイルコミュニケーションズといったメーカーも高価格帯の製品で大画面端末の出荷台数が増えている。カナリスによると高価格帯の製品カテゴリーは、ここに来て大画面化の傾向が顕著に表れている。
例えば価格が500ドル以上の製品に限って見ると、47%が5インチ以上の端末。その残りの53%うち、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」がほぼ9割を占めている。
噂の「iPhone 6」は4.7インチや5.5インチ
アイフォーンの現行モデルである「5s」と「5c」の画面サイズはいずれも4インチ。つまりアップルは、5インチ未満の市場では圧倒的な強みを持つ。
だが、カナリスによると、昨今の消費者は高価格製品に大画面ディスプレイを求める傾向がある。アップルが競争力を維持していくには、アイフォーンの大画面化が不可欠だとカナリスは指摘している。
このリポートに先立ち、台湾の経済日報(Economic Daily News)が匿名の部品メーカー関係者の話として、アップルが大画面のアイフォーンを準備していると報じた。