4月16日午前9時ごろ、仁川(インチョン)から済州島(チェジュド)へ向かう「歳月号(セウォルホ)」がバランスを崩して横に傾き始めた。

 そこには325人の高校生たち(タンウォン高校)が修学旅行のため前日の夕方から乗船し、彼らを引率する教師たち15人、そして一般の旅行客合わせて475人が乗り込んでいた。仁川で霧が深かったため予定より2時間も遅れて出発したが、事故までは順調に運行を続けていた。

沈没船にいる生存者を早急に救出せよ!

韓国の旅客船転覆、3人死亡 292人が安否不明

韓国南部・屏風島の20キロ沖合で転覆した旅客船の乗客乗員の捜索活動に当たる同国の海洋警察(2014年4月16日)〔AFPBB News

 海洋警察庁の発表によると、4月17日12時35分現在、死亡者9人、行方不明者287人、生存者179人となっている。昨日から報道を見ている限り、乗船した人数すら何回も修正されている。

 それは、事故に遭った当の海運会社が何度も乗船者数を修正して海洋警察庁に報告したため、埒があかないと思った海洋警察庁が改札口の近くの監視カメラを見ながら一々数えて、最終的に475人と発表したのだ。

 テレビでは速報を流し続け、他のメディアもネットを通じて速報を流し続けている。それによると、船は完全に沈没したわけではなく、横に傾き徐々に沈没中なので、まだ船室などに残っている人たちがいるかもしれないという。

 旅客船なので、内部にはエアポケットという部分があり、そこに人がいれば、事故から30時間以上でも救出された事例があったという。

 さて、カカオトーク(韓国ではLINEよりはカカオトークのユーザーがずっと多い)などSNSでは、「彼らのために祈りましょう」というメッセージが出回り、全国的に関心の高い事故であることを物語っている。

 だが、今回の事故にかこつけて「生存者からのメッセージ」を配信する人たちもいる。こうしたいたずらメールは失踪者たちの家族に希望をもたらすものではあるが、それだけに救助活動が遅々として進まないことに対して焦燥感を煽り立てることにもなっている。