3月30日、ハリウッド映画「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン(以下「アベンジャーズ2」)」の韓国ロケが始まった。
これに先立ち、韓国の5つの機関(韓国観光公社・映画振興委員会・ソウル映像委員会・京畿映像委員会・高陽知識情報産業振興院)は、米国のマーブルスタジオと来年公開予定の「アベンジャーズ2」に関する「韓国ロケおよび観光活性化のためのMOU(了解覚書)」を締結した。
4000億ウォンの経済効果を期待
また韓国内でのロケ日程や場所、交通規制計画を発表し、文化体育観光部(部は省)、警察庁、ソウル市など関係機関が合同でロケ場所を規制する計画であることも明かした。
国務総理は20日、「今回のロケが韓国の国家ブランド力の上昇と経済的効果につながるきっかけになるよう積極的な支援と協力が必要」と、政府レベルでのバックアップも約束した。 韓国政府がこのように積極的なのは、スクリーンツーリズムの経済効果を狙っているからだ。
映画振興委員会の予測では年間1234億ウォン、観光公社の予測では直接効果4000億ウォン、国家ブランド価値上昇2兆ウォンとそれぞれ意見の食い違いはあるものの、とてつもない経済効果を期待している。
ちなみに、スクリーンツーリズムとは、映画・ドラマなどの映像作品に関心を持つ人が、当該映像作品の視聴、もしくは作品に関する情報との接触をきっかけとして、映像作品の制作現場となった地域に来訪することをいう。
2009年韓国でロケしたタイの映画では韓国がロマンチックな国として描かれ、この映画がヒットしたおかげでタイ人の訪韓客が35%もアップしたという。
また、海外の例としては「ロード・オブ・ザ・リング」がある。ニュージーランドの大自然を神秘的に描いた映画により、ニュージーランドの観光収入が大幅に上がった。
まさに良いことだらけなのに、これまでソウル市は、韓国映画の撮影には経済的損失などの理由で非協力的だった。
これに対して釜山市が積極的に映画撮影を支援してきたので、韓国映画やドラマのロケは釜山で行われることが多かった。ところが今回、ハリウッド映画にはソウル市がすんなり許可をしたものだから、韓国の映画界からは反発の声も上がっている。