3月1日、中国雲南省昆明市の昆明駅で起こった無差別殺傷事件は、29人が死亡、143人が重軽傷を負う前代未聞の大事件だった。昆明駅に男6人女2人の集団が侵入、手に持った1メートルほどの大なたで、文字通り「ぶった切る」ようにして人々を殺傷。30分弱の時間で170人を超える人に斬りつけた。

 この「3.1事件」は専門的訓練を積んだ者たちによる犯行と推測されたが、その後DNA鑑定などを経て、この事件は「新疆ウイグル自治区の分裂主義勢力による組織的な暴力テロ事件」と特定された。

 現地紙に掲載された報道写真は、荷物が散乱した駅構内を映し出していた。両手に大荷物、子どもを連れた家族も多かったはずだ。逃げるに逃げられない状況だったに違いない。たとえいかなる動機や理由があったとしても許される行いではない。

 事件後、昆明駅では銃を首から提げた武装警察が立ち、街中でも迷彩服姿が散見されるようになった。そして、昆明のみならず全国規模で安全管理が強化され、ここ上海でも市内を警察車両が走り回り、武装警察がいたるところで警備をするようになった(下の写真)。