北米報知 2014年1月30日4号

 シアトル市内で、労働者の最低賃金を時給15ドルに引き上げるよう求める運動が活発化している。

 昨年11月にシータック市内で行われた住民投票で最低賃金引き上げ案が承認されたのを追い風に、シアトルでも労働組合などを中心に労働者が引き上げを求めるグループを結成。今年1月にはエド・マレー新市長も市職員の最低賃金の引き上げを表明した。最低賃金が全米で最も高いワシントン州での動きに、注目が集まっている。

熱気に満ちた参加者ら

 最低賃金引き上げを求める労働者らでつくるグループ「15NOW」が12日、SODO地区で開いた決起集会。約400人が集まり、会場は熱気で包まれた。

 「私たちが欲しいのは?」「15ドル!」「いつやるの?」「今!」―。司会者でトランジット利用者組合代表のケイティ・ウィルソンさん(31)の問いかけに、興奮気味の参加者が気勢を上げた。

 ファストフード店の店員や移民労働者、社会主義者ら約15人が次々と檀上で演説し、低賃金労働者の苦境を訴えた。

 シータック市での住民投票では、シアトル‐タコマ国際空港の労働者らを中心に最低賃金を15ドルに引き上げるよう求める訴えが起こり、提案が僅差で可決された。これを発端にシアトル市内でも労働者が声をあげ始めた。

 昨年の市議選では最低時給引き上げを選挙運動の柱に掲げ、運動を先導する社会主義者のクシャマ・サワント市議が当選。今月に就任したマレー市長は1月3日、市関連機関に勤める全職員の時給を15ドルに引き上げるよう行政命令を出した。