成都は四川省の省都だ。四川省は中国の内陸部に位置しパンダの生息地として知られる。成都の周辺には平野が広がり気候も温暖、内陸部にしては住みやすいと言われている。
ただ、内陸部に位置することは経済発展において有利な条件ではない。2012年の四川省の1人当たり生産額は2万9608元であり、これは北京の8万7475元、上海の8万5373元の約3割にとどまる。
四川省の人口は8000万人だが、近年、成都周辺への人口集中が続いている。2010年のセンサスによると成都の人口は1400万人、2000年に比べて約300万人も増加している。
家賃1万元の郊外マンションを誰が借りるのか?
その成都でマンション建設ブームが起きている。中心部から自動車で、交通事情にもよるが30分以上かかる郊外に、いくつもの高層マンションが建設中だ。
建設現場のそばに瀟洒なショールームがあるが、そこは日本のマンション販売所と変わらない雰囲気だ。大学を出ていると思われるスーツを着こなした女性の営業担当が、熱心に物件の紹介を行っていた。
驚くべきはその価格である。専有面積80平方メートルほどのマンションの価格が200万元にもなっている。1元を17円として3400万円。東京郊外のマンションンの価格となんら変わらない。