レーナが現在のパートナーであるエリックに出会って2人の関係が始まった時、彼女は自分は子供を持つことはできないということをすぐに彼に話した。 「彼は、それは私の体のことだし、私が決めたことだから、と最初から言ってくれた」と彼女は言う。

29歳女性、「自由になりたい、柔軟でいたい」

 レーナは5年前、29歳の時に不妊手術を受けた。この日が来るのを何年も楽しみにしていたと言う。受けた主な理由は「自由になりたいし、柔軟でいたいから」だ。

 「手術を受けた時、どういう感じでしたか」と聞いてみた。

 彼女が手術時にすごく驚いたことは、会った看護師や麻酔科医が非常に優しく、親切だったことだ。彼らはプロフェッショナルで的確な処置をし、そしてフレンドリーだったという。

――なぜ驚いたんですか?

 「私が子供を持ちたくないと言うと、いつも周りに『本当に? どうして? 』と聞かれ、いつも間違っているとか、後悔するとか言われてきた。なので、医師たちも自分がすることを非難の目で見るのではないかという気がしていたから」

 数時間後、麻酔からさめた彼女は、ベッドの上でへその下の小さな切開痕を見た。彼女の卵が子宮内に下りてこないように、卵管が切られた痕だ。

 「とうとう終わった、自分は手術をした」と安堵しつつ、家に帰った。

 自分が覚えている限り、ずっと子供は欲しくない、子供は持たないと思い続けてきた。小さい頃、ままごとで遊んだり、人形と一緒にベッドに入ったりすることもなかった。

 高校時代に友人と子供のことについて話した時、友人はこう言った。 「あーあ、レーナ、あなたはいつもアンチね、いつか後悔するわよ」

 が、彼女は変わらなかった。レーナは22歳の時、医者に不妊手術をすることができるかと尋ねたが、彼はきっぱりとノーと言った。「それについて決断するにはまだ若すぎる」

 何年か経ったが、彼女の気持ちは変わらず、結局手術を受けることを決意した。周囲の反応は様々ではあったが、すべて反対の方向だ。「それが正しいかどうか、もっとよく考えなさい」「自己中心的」「生命は再生産されるべきものであり、それが人間存在の大義なのだ」「妊娠・出産に恐怖感があるのか」――。