外国人観光客の誘致を巡って日本と韓国の争いがますます激しくなってきた。日本政府観光局の発表によると2013年に日本を訪問した外国人観光客は初めて1000万人を突破した。ひと足先に2012年に1000万人超えを果たした韓国も、2013年にはさらに訪問客数を増やした。

 ほぼ同じペースで外国人観光客訪問者数を増やしてきた両国だが、中国人への依存度が高い韓国と、東南アジアなどから満遍なく訪問客を増やしている日本とで、その中身はかなり異なるようだ。

明洞を席巻する中国人、「プチ整形」のついでに買い物する女性も

 筆者のオフィスはソウルのど真ん中、明洞(ミョンドン)のすぐ向かいにある。すぐ近くにロッテデパートのヤング館があるが、昼食時も退勤時も一歩外に出ると、身動きができないほどの混雑だ。

 夕方、明洞に行くと、前に進むのも大変なほどの混雑ぶりだ。そのほとんどが、中国人の観光客と言ってもいい。つい数年前は、明洞の「主役」は日本人観光客だったが、いまや完全に中国人が取って代わってしまった。

韓国の美容整形熱、ますます過激に

「美容整形大国」の韓国に整形目的で訪れる中国人も急増している(写真はソウルの地下鉄駅に掲示された顎矯正手術の広告)〔AFPBB News

 化粧品店や飲食店の看板も、中国の漢字がドカンと表示してある。客引きもまずは、中国語といった具合だ。

 すごい光景もよく見る。免税店や化粧品店に行くと、顔に大きな絆創膏や包帯を巻いた女性が買い物をしている。近くの整形外科に「ちょこっと寄った」帰りに買い物をしている中国人観光客だ。

 明洞以外でも、いまや「ソウルで中国人を見かけない場所はない」と言われるほど、中国人は目立つ。

 中国人が増えていることは、統計にはっきりと出ている。

 韓国観光公社が発表した2013年の観光統計によると、韓国を訪問した外国人観光客は前年比9%増の1218万人。2年連続で1000万人を突破した。

 その内訳を見ると、最も多かったのが中国人で433万人。何と前年比53%増となった。