市場調査会社の米IDCがまとめたスマートフォンの出荷台数推計によると、今年の世界における年間出荷台数は昨年から39.3%増えて、10億1010万台となる見通しだ。

 スマートフォンの普及率は先進国市場で飽和状態に近づきつつあるが、新興国市場では引き続き需要が高く、今後も大きく伸びていくという。IDCは、世界全体の出荷台数が今後年平均18.4%の成長率で伸び、2017年には17億台に達すると予測している。

アジア太平洋の出荷台数、世界全体の半分以上

米国でフェイスブックが主要なニュース源に

スマートフォンをチェックする米国の議会担当記者たち〔AFPBB News

 今年の年間出荷台数推計を地域別に見ると、アジア太平洋地域が5億2820万台で、世界全体の出荷台数に占める比率(シェア)は52.3%になる見通し。

 これに次いで多いのが欧州の1億8210万台で、シェアは18.0%。この後、北米の1億5100万台(同15.0%)、中南米の9110万台(同9.0%)、中東/アフリカの5760万台(同5.7%)が続くという。

 また2017年までの5年間の出荷台数予測では年平均成長率が最も高いのは中南米で、23.7%。これにアジア太平洋地域の23.2%、中東/アフリカの18.5%、欧州の11.1%、北米の7.8%が続くとIDCは予測している。

 つまり、今後の成長率は、中南米やアジア太平洋地域といった新興国市場が世界の平均を大きく上回り、北米や欧州では平均を下回ることになる。

 IDCによると、とりわけアジア太平洋地域は勢いがある。同地域のシェアは、今年の52.3%から2017年には58.5%とほぼ6割に達し、出荷台数は10億台に近づく。これに対し、中南米や中東/アフリカのシェアは小幅な伸びにとどまり、欧州と北米のシェアは縮小していく。