今年のユネスコ無形文化遺産に和食と韓国のキムチとキムジャン(冬場のキムチ漬け)文化が登録候補となっていることをご存じだろうか。
日本が和食を登録しようとしている傍ら日本の中では和食離れが進んでいるように、実は韓国でもキムチを漬けることが大変で若年の主婦層ではキムチ漬け離れが進んでいる。
毎年70億ドル以上を輸出するドル箱商品
無形文化遺産に登録されても、ユネスコからの金銭的サポートは一切ないが、それでも観光客を呼ぶ呼び水になることは間違いない。
これまで韓国は政治、経済、文化などの分野でキムチの国際化を進めており、韓国においてキムチは宝物以上の価値を持った「文化アイコン」となっている。
それもそのはず現在キムチは110カ国・地域に普及しており、毎年70億ドル以上の収益を上げる輸出品となっているからだ。
だが、キムチは日本では日本人好みのキムチが本場のキムチより幅を利かし、中国では中国の泡菜と似ているということで「韓国の泡菜」と呼ばれ、ついに中国側は「キムチは中国が元祖」と言う始末だ。
そこで韓国政府は一計を案じた。韓国農林畜産食品部(日本の農水省に当たる)は、韓国のキムチと中国や日本のキムチとを差別化するために、キムチ(泡菜)の中国名を「辛奇」と変え、高級化戦略に乗り出した。
なぜなら国際食品規格委員会がキムチの英語名は「Kimchi」としてきたが、規定された中国名がなかったため、韓国泡菜と訳されていたからだ。