株価高騰と欧州を襲う低インフレ「下から上へ」の富の再配分～北欧・福祉社会の光と影（34）(1/4)

株価高騰と欧州を襲う低インフレ

「下から上へ」の富の再配分～北欧・福祉社会の光と影（34）

2013.11.28（木）みゆきポアチャ

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　世界の株式市場で、記録的な株高が続いている。

　先週の米株式市場では過去最高値を4営業日続けて更新し、21日にはダウ・ジョーンズ工業株30種平均は初めて終値で1万6000ドルを上回った。

　日本でも、日経平均株価はここ2週間で1500円近く上昇し、日経平均を東証株価指数（TOPIX）で割ったNT倍率は、2000年のIT（情報技術）バブル期並みの高水準に達している。

　ちなみに2013年世界の株価上昇率ランキングで、日本は上昇率で4位になっている*¹。

先進諸国で一斉に株高、「ウルトラリッチ層」はさらに金持ちに

　他の主要株価指数も同様に活況を呈している。S＆P500種株価指数も、先週中の取引で史上初めて1800ポイント台を突破し、1年間で31％上昇した。NASDAQは同期間に38％上昇した。

　FTSEオール・ワールド・インデックスも先週には2007年以来の最高値を記録した。この1年間で、日経が67％上昇、ドイツのDAX指数は33％上昇、英国のFTSE250は32％上昇している*²。

　UBS銀行およびウェルス-Xが今月7日に発表した｢世界超金持ちリポート2013｣（PDF）によると、世界の億万長者の合計純資産は、2009年から倍増した。同リポートは億万長者という意味で｢グローバルなウルトラリッチ層（UHNW）」という語を多用しているが、欧州内でその総数は、2012年から2013年の1年間で5万3440人から5万8065人に増えている。

　同リポートによると、ドイツ国民の上位10％の層が社会全体の富の67％、フランスでは上位10％の層が62％を所有している。