スティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)の後任を探している米マイクロソフトは、社外候補者の人数を5人程度にまで絞ったと英ロイター通信が伝えている。
現在候補者リストに名が挙がっているのは、米フォード・モーターのCEO、アラン・ムラーリー氏、マイクロソフト出身でフィンランド・ノキアの前CEO、スティーブン・エロップ氏など。
またマイクロソフトでは、少なくとも社内に3人の候補がおり、それにはビジネス開発部門を率いるトニー・ベイツ氏や、クラウドや企業向け部門を率いるサトヤ・ナデラ氏が含まれているという。
当初の40人から5人程度に
マイクロソフトは今年8月に、バルマーCEOが今後1年以内、あるいは次期CEOが決まり次第退任すると発表した。同社ではそれ以来取締役会に特別委員会を設置して後任を探している。ロイター通信によると、社外候補者のリストには当初40人ほどの名があったが、ここにきて5人程度にまで絞り込んだという。
このほかの候補者の名前は明らかになっていないが、特別委員会は生命科学や消費者向け製品といった多岐にわたる分野の人物を面接しているとロイターは伝えている。
ただし、選任手続きにはまだしばらく時間がかかり、今後数カ月を要するものと見られている。特別委員会は現在、反対意見を持つ株主と協議しており、彼らの要求とのバランスを調整しているという。
物言う株主、マイクロソフトの取締役会に参加
マイクロソフトは今年8月、物言う株主として知られる米国の投資会社、バリューアクト・キャピタルと協力体制を敷くことで合意したと発表した。バリューアクトはマイクロソフトの発行済み普通株式の約0.8%を保有している。
一部の報道によると、バリューアクトは委任状争奪戦を行わないことや、保有株式を5%未満にとどめることなどを条件に、マイクロソフトの取締役会に代表者を送り込むという約束を取りつけた。
またバルマーCEOの退任計画も、このバリューアクトが圧力をかけたことが影響したと見られている。ロイターは事情に詳しい複数の関係者の話として、バリューアクトはマイクロソフトの特別委員会と同様、次期CEO候補に接触できる権限を与えられていると伝えている。