世界7カ国10都市で開催される世界最大級のデジタルマーケティングイベント「ad:tech」の東京開催、「ad:tech Tokyo 2013」が9月18~19日にかけて東京国際フォーラムで行われた。

 僕はこの中で、「コミュニケーション混沌時代」というテーマのセッションにパネリストとして参加させていただいた。

増え続ける双方向コミュニケーションのツール

 このテーマが用意されたのは、いままさしく、コミュニケーションが様々な観点で混沌とし始めているということなのだろう。

 同じセッションに、サントリーホールディングス、資生堂の宣伝、広報セクションのキーマンがパネリストとして参加されていたこともあり、ここでは企業と消費者のコミュニケーションを中心にディスカッションが展開された。

「若者とセックスと酒とカメラ」&危険な組み合わせ

複雑化の一途をたどる企業と消費者との双方向コミュニケーション(資料写真)〔AFPBB News

 従来型の広告宣伝は、依然としてその機能価値を維持しつつも、次第にモバイルデバイスやソーシャルメディアが介在する双方向コミュニケーション型へシフトしている側面がある。

 その流れの中において、先の2社ともコーポレート全体で実に数十のソーシャルメディアアカウントを保有している。それらは各商品専用のアカウントから企業の広報的なアカウントまで、様々な用途で活用されている。

 早くから双方向コミュニケーション型のマーケティングを意識していた企業も、当初開設していたのはブログやミクシィのアカウントくらいだった。しかしそれから、YouTube、ツイッター、フェイスブック、LINEなど、ハンドリングすべきものが次から次と増え続けている。

 1つの商品につき複数のソーシャルメディアアカウントを同時に立ち上げて運用することはもはや当たり前、その増え方は掛け算式だ。その結果、企業は煩雑な対応を強いられるようになり、コミュニケーション混沌時代の象徴のひとつとなっている。