米アップルの株価が500ドル突破、上場来初めて

投資家はアップルの決算をひとまず好感した〔AFPBB News

 米アップルが23日に発表した決算で、同社の主力製品である「アイフォーン(iPhone)」の4~6月期における販売台数が3124万台だったことが分かった。また4~6月期の売上高は353億2300万ドル、1株利益は7.47ドルだった。

 アナリスト予想はアイフォーンの販売台数が2600万台、売上高が350億ドル、1株利益が7.32ドルで、結果はいずれもこれらの予想を上回った。この決算を受けアップルの株価は同日の時間外取引で一時5%以上上昇した。

 3124万台というアイフォーンの販売台数は、1年前に比べて20%増。年末商戦のあった10~12月期や、前四半期の1~3月期の台数には及ばなかったものの、4~6月期として過去最高だ。同社が現在の最新モデル「アイフォーン5」を発売したのは昨年の9月のことで、すでに3四半期が過ぎている。販売の減速期である4~6月期でありながら、結果はまずまず、よく健闘したという評価が広がっている。

 一方、タブレット端末「アイパッド(iPad)」の販売台数は1461万台で、1年前から14%減少。こちらはアナリスト予想の1700万台に届かなかった。アイパッドは昨年3月に第3世代モデルを発売しており、その直後である昨年4~6月期は販売が伸びている。今回はその反動減が起きたと見られている。

2四半期連続の減益

 概して今回の決算は好感されている。アップルの売上高の半分を占めるアイフォーンが予想以上に伸び、スマートフォン市場の成長鈍化を懸念していた投資家に一定の安心感を与えたためだ。

 だが、かねて指摘されていたように収益の伸び悩みという問題は、依然として残っている。例えばこの4~6月期の売上高は1年前からわずか1%増にとどまり、純利益は同22%減の69億ドルとなった。アップルは今年1~3月期の決算で約10年ぶりに純利益が前年割れとなり、減益は今回で2四半期連続。また粗利益率は1年前の42.8%から36.9%に低下した。

 値引き販売しているアイフォーンの旧モデルや、昨年11月に市場投入したアイパッドミニに消費者の需要がシフトしており、利益率が下がっているのだ。米ウォールストリート・ジャーナルによると、4~6月期のアイフォーンの平均販売価格は581ドルで、前の四半期から32ドル低下した。

 そうした中、投資家が期待を寄せているのがアップルがこの秋以降に発表する予定の新製品だ。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は決算発表で「秋から2014年にかけて発表する驚くほど素晴らしい新製品に注力していく」と述べ、詳細は明かさないものの、同社が何らかの製品を準備していることを明らかにした。