米国の大手書店チェーン、バーンズ&ノーブル(B&N)がタブレット端末の市場競争で米アップルや米アマゾン・ドットコムに敗れたと海外メディアが報じている。
同社は6月25日の決算発表で、カラー液晶ディスプレイを搭載したタブレット端末「ヌック(NOOK)HD」と「ヌックHD+(プラス)」の生産から撤退する計画だと発表した。
「今後はメーカーとの共同ブランドで展開」
ヌックの事業は赤字続きのため「製造に関するリスクを取り除くことで、事業の損失を大幅に低減する」というのがその理由だ。
一方で同社には白黒の電子ペーパーを採用した電子書籍専用端末「ヌック・シンプルタッチ(Simple Touch)」と「同グロウライト(GlowLight)」があるが、こちらの開発は今後も自社で行うという。
タブレット端末については、今後消費者向けエレクトロニクス製品を手掛けるメーカーと提携し、共同ブランドの端末を展開していくという方針だ。ただし提携メーカーは今のところ決まっていないもようで、この日の発表では明らかにしなかった。
だが、そもそもヌックの事業が赤字だったのは端末の販売が低迷していたから。たとえ提携メーカーが見つかったとしても、今後の事業展開は難しいだろうと指摘されている。
同社がこの日発表した2~4月期の決算は、売上高が1年前から7.4%減の12億7700万ドルだった。純損失は1億1860万ドルで、赤字額は1年前の5690万ドルからほぼ2倍に拡大している。