市場調査会社の米ABIリサーチが先週まとめたリポートによると、世界のタブレット端末市場では米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載する端末の出荷台数がまもなく米アップルの「アイパッド(iPad)」を上回るという。

 メディア消費型とも言われる現在普及しているタブレット端末の市場は、アップルが2010年にアイパッドを発売した後急成長し、それ以来一貫して同社が首位を維持してきた。だがここに来て市場環境は急速に変化しているという。

すでに5割超がAndroidというデータも

米アップル「iPad mini」、世界で一斉発売

昨年11月に発売された「アイパッドミニ」〔AFPBB News

 実はこれに先立つ5月初めに別の調査会社である米IDCが1~3月期の世界タブレット市場に関するリポートを公表していた。それによるとアンドロイドタブレットの出荷台数はすでにアイパッドを上回っている。

 IDCのデータではアンドロイドは2780万台、アイパッドは1950万台で、シェアはそれぞれ56.5%と39.6%。一方、ABIリサーチはアイパッドのシェアは同じ期間に50%だったとしている。

 ABIリサーチとIDCのデータには違いがあるが、今後の市場動向についての両社の見解は一致しているようだ。それは、タブレット市場は今後アンドロイドが牽引し、画面サイズが8インチ以下の小型で安価な端末が急速に伸びていくということ。ABIリサーチは中国市場に注目すべしと指摘している。

 同社の主席アナリストであるジェフ・オア氏は、「中国ではアップル製品に対する人気が根強い。だが、メーカー各社が200ドル以下の安価な小型タブレットを次々と市場投入したことで、アンドロイドの人気が高まってきた」と話している。

 「1社だけでアップルの牙城に迫ることができるメーカーは当面現れそうにないが、今後アンドロイドがアイパッドを追い抜くのは必至」(同氏)