米ガートナーが14日に公表した世界の携帯電話販売統計によると、今年1~3月期の総販売台数は4億2582万台で、1年前から0.7%増と小幅な伸びにとどまった。
同社によるとフィーチャーフォン(従来型携帯電話)の台数は1~3月期に21.8%縮小。一方でスマートフォンは2億1004万台となり、1年前から42.9%増加した。
アジア太平洋以外は軒並み減少
携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの割合は49.3%と、ほぼ半数に達している。昨年1~3月期に34.7%だったこの割合は、その後の四半期で36.7%、39.6%、43.9%と推移し、ついに5割を若干下回る程度にまで拡大したというわけだ。
ガートナーによると、アジア太平洋地域で安価な端末が急速に伸びたことがその理由だ。例えば1~3月期の世界携帯電話市場を地域別に見ると、アジア太平洋地域は約2億2600万台となり、世界全体の53.1%になった。
同地域の販売台数は1年前から6.4%増。これに対し、北米は同9.5%減、日本は同7.3%減、中南米は同3.8%減、EMEA(欧州・中東・アフリカ)は同3.6%減と、軒並み減少している。
小幅ながら1~3月期の世界販売台数が伸びたのはアジア太平洋地域のおかげというわけだ。中でも中国は7.5%増と高い伸びで、世界全体に占める同国の販売台数比率は25.7%に達している。
ガートナーのアナリストによると、中国メーカーは3G(第3世代)通信ネットワークよりも前の2.5Gに対応した安価な端末を販売することで、同国の旺盛な需要に応えている。これにより世界のスマートフォン市場における中国メーカーの販売台数シェアは13.2%から29%に拡大した。
首位サムスンは圧倒的な強さを維持
ただし世界の携帯電話市場で圧倒的に強いのは韓国のサムスン電子だ。同社の1~3月期の販売台数は1年前から12.7%増の1億65万台で、10~12月期に続き1億台を超えた。
これに対しフィンランドのノキアは同23.9%減の6321万台。同社は1998年から長らく首位を維持していたが、昨年1~3月期にサムスンに抜かれてから5四半期連続で2位になっている。