週刊NY生活 2013年4月20日439号

 ニューヨーク市在住の子供の約5人に1人に当たる14万5000人以上が、精神疾患または情緒障害を抱えていることが、同市保健衛生局の調べで明らかになった。

 調査対象の6歳から12歳の6%に当たる4万4000人は、多動性障害(ADHD)、うつ病、双極性障害、不安神経症や行動障害と診断されている。保護者に対するアンケートでは、障害なしと診断されてもそのうちの14%が「感情や集中力、行動、対人関係に問題がある」と答えている。

 保健衛生局は「社会の目を気にして保護者が助けを求めない、精神疾患に気がついていない、専門医療機関が限られているなどの原因で未確定と診断されている子供が多い。調査結果は現状を過小評価している可能性が高い」と話している。

 2009年のデータを基に、ポール・サイモン子供保健基金の協力で実施された調査のそのほかの結果は次の通り。

▽多動性障害(ADHD)は最も多く、4%に当たる2万6000人 ▽2番目に多いのは反抗的行為障害および行為障害で2%に当たる1万5000人

▽男子が精神疾患と診断される確率は女子の3倍

▽適切な診断と治療は精神障害を持つ子供が適応性や行動を見につけるために不可欠だが、実際に治療を受けている子供は3分の2で、援助を依頼している家庭は17%に過ぎない。行動障害児が学習障害を抱える確率は、ほかの子供の6倍と高く、喘息や睡眠障害など健康上の病気にも2倍かかりやすい。

 現在、市内400校以上が精神衛生サービスを提供しており、保健衛生局は保護者たちが子供の行動や適応力をより観察するよう呼びかけている。

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