市場調査会社の米IDCが先週公表した携帯電話市場に関する調査によると、今年1~3月期に世界で出荷された携帯電話の台数は4億1860万台で1年前の同じ時期に比べ4%増加した。このうちスマートフォンの台数は2億1620万台で、携帯電話全体に占める割合が51.6%と、初めて半数を上回った。

 スマートフォンの携帯電話全体に占める割合は昨年10~12月期に45.5%にまで上昇していた。この割合が50%を超えるのは時間の問題とされていたが、それが早くもこの1~3月期に起きたというわけだ。

 同四半期のスマートフォン出荷台数は1年前の1億5270万台から41.6%増加した。フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の販売が低迷するなか、スマートフォンは急速に伸びており、市場の拡大が続いていることが改めて明らかになった。

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サムスンのスマートフォン出荷台数は2位以降の4社の合計をも上回っている〔AFPBB News

 1~3月期におけるスマートフォンのメーカー別出荷台数は、韓国サムスン電子が7070万台でトップとなり、米アップルが3740万台でこれに次いだ。

 この後、韓国LGエレクトロニクスの1030万台、中国ファーウェイ(華為技術)の990万台、中国ZTE(中興通訊)の910万台と続いた。

 このうち首位のサムスンの出荷台数は1年前から60.7%増と大きく伸びている。サムスンの出荷台数はアップルのほぼ2倍に達しているほか、2位以降の4社すべての合計(6670万台)をも上回っている。

 これに対し、アップルの出荷台数はわずか6.6%増にとどまった。アイフォーン(iPhone)の出荷台数の前年同期比伸び率は「4S」を発売した一昨年の10~12月期に128%増と驚異的な伸びを示し、その後、88%増、28%増、58%増、29%増と推移してきた。IDCによるとアイフォーンが1ケタ成長となるのは2009年7~9月期以来のことだ。

 アイフォーンは1~3月期に四半期ベースで過去2番目に多い台数を出荷したが、成長率では鈍化が目立ってきた。例えばアップルは3位のLGエレクトロニクスの3.6倍のスマートフォンを出荷している。だがLGの伸び率は110.2%と非常に高い。このほかファーウェイも94.1%、ZTEも49.2%と、いずれも伸び率ではアップルを上回っている。