米ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)にとって同社の経営改革とは、一時の休息も許されない猛ダッシュの連続と言えそうだ。
メイヤーCEOは22日に同社の公式ブログに投稿し、ヤフーのアイフォーン向けアプリの最新版を紹介した。これは同社サービスに掲載されるニュースやスポーツ、エンターテインメントなどの情報を閲覧できるというアプリ。その名は社名と同じ「ヤフー」で、いわば同社のフラッグシップアプリだ。
買収の発表から1カ月弱、異例の早さで新技術導入
CEO自らが発表を行うなど力の入れようが感じられるが、驚いたのはこのアプリに先月同社が買収すると発表したばかりの、17歳の英少年が開発した技術を組み込んでいる点だ。
メイヤーCEOは経営改革の柱としてモバイルサービスの強化を掲げている。その戦略の下、これまで数々のモバイル関連の新興企業を買収して優秀な人材を集めてきた。
しかし今回のように買収企業の技術をいち早く代表的なサービスに取り入れたのはおそらくこれが初めて。
しかもメイヤーCEOはブログでこの17歳の少年の企業の技術は画期的と称賛し、その技術によってもたらされたヤフーの新アプリは、より賢く美しくなったと説明している。こうして同社が買収した企業の技術に言及して自社のサービスを宣伝するのも異例なことだ。
これには今のヤフーが新しい技術を積極的に取り入れ、迅速に動ける活気に満ちた会社であるということを、社員や顧客、株主に示したいという、メイヤーCEOの狙いがあるのではないかと見られている。