韓国サムスン電子が米国でスマートフォンやタブレット端末の販売を強化しようとしている。同社は先週、米家電量販店最大手のベストバイと手を組み、全米1400カ所のベストバイ店舗内に、サムスンブランドの店舗をオープンすると発表した。まずは5月初めに900店をオープンし、その後1400店以上に拡大するという。
1カ所で全てに対応する「ストア・イン・ストア」
店舗の名称は「サムスン・エクスペリエンス・ショップ」。ここでスマートフォンやタブレットのほか、ノートパソコン、デジタルカメラ、アクセサリー製品などモバイル関連の全製品を販売する。
ベストバイは既にサムスン製品を取り扱っているが、「ストア・イン・ストア(店舗内店舗)」という点がこれまでと大きく異なる。サムスンによると、売り場面積は最大で460平方フィート(約43平方メートル)。
ここにはベストバイとは別の専用レジを置く。また同社製品に詳しい専門スタッフを常駐させ、デモンストレーションや商品説明、携帯電話会社との契約、保証登録、アフターサービスまで対応するという。
サムスンの製品は現在、携帯電話会社の店舗やベストバイなどの量販店で売られている。だが同社は米国で直営店を持っていない。米フォーブスによると、米国人の7割がベストバイ店舗の半径16キロメートル以内に住んでいるといい、今回の提携で販路が広がれば、米国におけるサムスンのシェアも拡大すると見られている。
同社は世界のスマートフォン市場で最大手のメーカー。だが米国市場では米アップルに差をつけられている。市場調査会社の米コムスコアがまとめた今年2月のスマートフォン契約者シェア調査では、アップルのシェアは38.9%。
これに対しサムスンは21.3%。アップルのシェアは3カ月前に比べ3.9ポイント増加したが、サムスンは1.0ポイント増にとどまった。