米アマゾン・ドットコムがまたもや低価格路線を打ち出し、販売攻勢をかけていると、米メディアが大きく取り上げ、話題になっている。
アマゾンは13日、タブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)HD」の大型モデル(8.9型)について、米国の直販価格を最大100ドル引き下げたと発表した。
32GBモデルはiPadより300ドル安く
これに先立ち同社は日本をはじめ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの5カ国で同モデルの販売を始めている。こうして生産量を拡大したことでコスト効率化を実現し、その恩恵を顧客に還元するのが目的とアマゾンは説明している。
キンドル・ファイアHDの8.9型は、Wi-Fi(無線LAN)専用モデルとLTE対応モデルがあり、それぞれストレージ容量が異なる2モデルを用意している。
このうち最も安い、Wi-Fi専用で容量が16GBのモデルはこれまで299ドルだったが、これから30ドル引き下げて269ドルにした。またWi-Fi専用で32GBのモデルは70ドル安の299ドルに、最も高いLTE対応64GBモデルは100ドル下げて499ドルにした。
米アップルの「アイパッド(iPad)」の価格は最安となるWi-Fi専用の16GBモデルでも499ドルで、32GBだと599ドルになる。これらと比較するとアマゾンのタブレットは価格競争力が一段と高まったと言えそうだ。
「269ドルは圧倒的な価格競争力」
しかし今回のアマゾンの値下げによって大きな影響を受けるのはアップルよりも、米グーグルや韓国サムスン電子だろうという観測が流れている。
例えば米ZDネットは、アップルとアマゾンは消費者の支持層が異なるため、実際にアマゾンと競合するのはアップルではなく、グーグルやサムスンだと伝えている。