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老舗製造業の大変身、質的向上の鍵はソーシャル化

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(28)

2013.03.14(木) 小川 和也
    http://goo.gl/yK8dr
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 先日、とある大手部品製造会社の工場を訪問した。創業から100年を超える老舗の製造会社だ。

 工場は国内外にあり、たくさんのスタッフを抱える技術者集団だが、いまここで大きな革新が進んでいる。それは、業務のデジタル化による共有の革新だ。

 まず、これまで各工程での品質チェックには大量の紙のマニュアルを作成し利用していたが、工場にiPadを導入しこのマニュアルをデジタル化した。

老舗企業の製造現場を劇的に変えたiPad

 老舗企業ゆえに、その長い歴史で培ってきたやり方を変えることやデジタル化の作業には随分と骨が折れたようだ。

 工場のスタッフは、この手のデジタルデバイスやインターネットサービスへの関心や利用は概ねアクティブではなく、当初はむしろ拒絶反応が強かったらしい。しかしいまは、工場のスタッフがそれぞれiPadを携帯し、その利便性を享受している。

 大量の紙のマニュアルは小さなタブレット端末に集約、そこで最新情報がタイムリーに更新され、必要な情報は速やかに検索で抽出できる。

スマホとタブレットが一体化、「ファブレット」続々登場

小型化が進むタブレット端末(写真は「モバイル・ワールド・コングレス 2013」で、サムスン電子の「ギャラクシーノート8」を試す来場者たち〔AFPBB News

 長期にわたって紙のマニュアルを使ってきた時代はいったい何だったのかという衝撃を受けているようだ。

 これはひとまず、小さくても大きな一歩目の革新だ。

 この工場のもう一歩の革新は、iPadを用いた共有の革新だ。タブレット端末やスマートフォンで動作する独自のアプリケーションを開発し、各作業工程でこれを活用するようになった。

 このアプリケーションを基点に、現場の作業進捗、クレームが発生した時はその事実や内容と、実に様々な業務プロセスがリアルタイムに共有されていく。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

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慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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