市場調査会社の米ニールセンが先週17日までにまとめた調査によると、スマートフォンは現在BRICs諸国で十分に普及しているとは言えず、メーカーにとってはまだ市場拡大の大きなチャンスが広がっているという。

世界の携帯電話利用者、年内に50億人に ITU

インドではスマートフォン市場はこれから拡大する〔AFPBB News

 同社が各国でそれぞれ約4000人の携帯電話加入者(16歳以上)を対象に行ったこの調査によると、インドのスマートフォンの普及率はわずか10%。同国ではフィーチャーフォン(多機能の従来型携帯電話)が80%を占めている。

 これに対し、ロシアにおけるスマートフォンの割合は37%とインドよりも普及が進んでいる。ただし同国でもフィーチャーフォンが51%を占め、まだ従来型の携帯電話が大半となっている。

 一方でブラジルは、スマートフォン、フィーチャーフォンの割合がそれぞれ44%と36%。同国では特定の種類の端末が突出して多いというわけではなく、スマートフォンが今後も大きく伸びる余地があるという。

中国のスマート端末台数、まもなく米国を抜き世界一に

 興味深いのはBRICsの中で例外となっている中国だ。同国におけるスマートフォンの普及率は66%に達しており、これは米国に匹敵する水準。

 別の調査会社、米フラーリがまとめたデータを見ても、中国におけるスマートフォンの普及ぶりが分かる。

 フラーリによれば昨年10月時点で稼働していた、米アップルの「iOS」と米グーグルの「アンドロイド(Android)」端末の合計台数は米国が1億8100万台で最も多く、中国が1億6700万台でこれに次いだ。その勢いは凄まじく、フラーリは今年3月までに中国が米国を追い抜くと予想している。

 先頃米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が中国を訪問した際、現地のインタビューに応じて「中国は近い将来アップルにとって最も重要な市場になる」と述べていたが、同氏の発言にはこうした背景があったというわけだ。