この数日、中国について気になる報道が増えてきた。例えば、こんな感じだ。
●中国では対日開戦議論が沸き起こり、好戦ムードが高まっている。
●中国人民解放軍総参謀部が全軍に対し軍事訓練で「戦争にしっかり備えよ」と指示した。
ふーん、本当にそうなのかねぇ。天邪鬼の筆者は逆に懐疑的になる。
中国の「戦争準備」に関するこの種の報道は一体どこまでが真実なのか。今回は予定していた共産党中央委員205人の「出世パターン」の話を来週に繰り越し、今中国メディアで花盛りの「好戦的論評」につき、筆者の独断と偏見をご披露したい。
2013年全軍軍事訓練指示
まずは、いつもの通り、事実関係から始めよう。
日本では、解放軍報を引用し、解放軍総参謀部が1月13日の「2013年全軍軍事訓練指示」の中で、「戦争思想を強化し、危機意識を高めよ」「戦争にしっかり備え、実戦の必要性から出発し、部隊を厳しく訓練せよ」「戦争能力を高めよ」と全軍に指示した、などと報じられている。
一部マスコミは、今年の軍事訓練指示が「開戦と戦争の遂行を異例の調子で強調」したと書いている。本当にそうなのだろうか。以下は、1月14日付の解放軍報が報ずる、総参謀部の具体的指示内容だ。
●全軍及び武装警察部隊は、戦う能力を持ち、戦って勝つという目標をしっかりと中心に据え(全军和武警部队要紧紧围绕能打仗、打胜仗的目标)、
●軍事闘争準備任務を牽引し(以军事斗争准备任务为牵引)、
●軍事訓練の実戦化を大いに強化し(大力加强实战化军事训练)、