ミニブログサービスの米ツイッター(Twitter)と、写真共有アプリを手がける米インスタグラム(Instagram)の関係が険悪なムードになってきたと報じられている。
同じ新興ソーシャルメディア同士のツイッターとインスタグラムはこれまで協力関係にあった。しかし米フェイスブックが今年4月にインスタグラムの買収を決め、9月に買収を完了して以来状況が変わってきたようだ。
これは、ソーシャルメディアの利用者とその滞在時間の獲得を巡るツイッターとフェイスブックの対立構図がいっそう鮮明になってきたためだと言われている。
インスタグラム、ツイッターへの写真掲載を中止
インスタグラムではこれまで、ユーザーが共有したい写真をインスタグラム内だでけでなく、ツイッターにも投稿することができた。
ユーザーは、膨大な数の参加者がいるツイッターにも同じ写真を共有できて便利。インスタグラムとしても自社サービスの利便性向上につながる。
ところが同社は12月5日、ツイッターに投稿される写真を一部のみを表示するように変更し、さらに同社のケビン・シストロム最高経営責任者(CEO)は、ツイッターでの写真表示を完全に打ち切る計画も明らかにした。
そしてこの9日、インスタグラムはついにツイッターへの写真表示を完全にやめ、写真に代えてインスタグラムのウェブサイトへユーザーを誘導するリンクを出すようにした。
その理由は「インスタグラムの写真はツイッターでなくてインスタグラムで見てほしいから」(シストロムCEO)というもの。これにより、インスタグラムによるツイッターへのサポートは事実上終わったと言われている。
自社サービス強化と連携排除の動きが加速
そもそもこうした他社に依存しないサービス展開は今年に入って急速に進んだように思える。例えば、ツイッターは自社アプリの機能を強化するのと同時に、同社サービスと連携する他社製アプリに厳しい制限をかけた。
また、インスタグラムをはじめとする外部企業に対しツイッターのフォロワー情報へのアクセスを制限した。