第18回共産党大会で選ばれた中央政治局委員は25人。そのうち常務委員となった7人が今脚光を浴びている。一方、残りの政治局委員18人についてはあまり報道がない。やはり、「平」委員だから、が理由なのだろうか。
そうは言っても、彼らは未来の最高幹部候補生。2017年、常務委員7人のうち習近平と李克強以外は定年を迎えるため、ポストが一気に5つも空く。
気の早い向きは、「今回は江沢民系の圧勝だが、5年後には多くの胡錦濤系が常務委員会入りだ」などと喧伝している。
しかし、そんなうまい話があるのだろうか。天邪鬼の筆者にはどうも信じ難い。そこで今回は、こうした「共青団」系の希望的観測の真偽を検証しつつ、党中央政治局委員と党内派閥の関係について考察を試みたい。(敬称略)
中央政治局委員
改めて今回の党人事のおさらいをしよう。今回選ばれた政治局委員25人の生年月、学歴と現在の担当は次のとおりだ。言うまでもなく、最初の7人が政治局常務委員であり、この順位は党内序列第1位から第7位を示している。
習近平 (1953年6月) 清華大学法学博士 党総書記 中央軍事委主席 高級幹部子弟
李克強 (1955年7月) 北京大学経済学博士 国務院常務副総理 「共青団」系
張徳江 (1946年11月) 北朝鮮金日成総合大学 国務院副総理 高級幹部子弟 「江沢民」系?
兪正声 (1945年4月) ハルビン軍事工程学院 政治局常務委員 高級幹部子弟 「江沢民」系?
劉雲山 (1947年7月) 内蒙古自治区集寧師範学校 党中央書記処第一書記 「江沢民」系?
王岐山 (1948年7月) 西北大学 党中央紀律検査委員会書記 高級幹部子弟 中立系
張高麗 (1946年11月) アモイ大学 政治局常務委員 「江沢民」系
以上は既に多くのメディアが報じていることなので、詳細には立ち入らない。今回ご紹介したいのは以下18人の政治局「平」委員たちだ。常務委員以外の政治局委員の序列は発表されないので、職種ごとにいくつかのグループに分けてご説明したい。