今週は日本の政治が揺れた。民主党の鳩山由紀夫首相が辞任、幹事長の小沢一郎氏の辞任も迫った。民主党は間を置かず代表戦を実施、菅直人・副総理兼財務大臣と樽床伸二衆院環境委員長の2人が立候補。
菅直人首相が誕生
菅直人氏が知名度の低かった樽床氏に勝利し、4日午後の衆院本会議で首相指名選挙が行われ、第94代首相に指名された。菅氏は当初、組閣を急ぎ今週中にも終える予定だったが、民主党内から人事刷新を求める声を受けて、週明けの8日に組閣を行う予定だ。
小泉純一郎元首相の後、自由民主党の3代続いた首相に加え、民主党の鳩山首相も1年ももたないという短命政権が4代も続いている。世界から見たら、日本の政治はどう映るのだろうか。日本人として極めて心配になる。
そうした中、今週のJBPressでは、海外のメディアが日本の政治の暗い部分を指摘する記事が注目を集めた。英エコノミストの「日本の政治の裏金問題」はその1つ。
日本でも一部で報道されていることだが、もしも欧米だったら大変なスキャンダルになるはずなのに、なぜそうならないのか、英エコノミストが指摘した記事である。
半年で3億6000万円も使われた官房機密費
民主党は前の自民党政権時代に使途の分からない、また領収書も必要のない官房機密費について、その使い道をつまびらかにするように再三求めてきた。また、政権交代した折には、官房機密費をなくすと明言していた。
ところが、政権を取った後は見事に前言を翻した。それだけでなく、昨年9月から今年3月までの半年で平野博文官房長官は、3億6000万円を使い、残ったのはわずか1600万円で、それは国庫に返納したとしている。
3億6000万円のかなりの部分が、迷走の果てに自民党時代に決めた結論に戻ってしまった普天間問題への対応に充てられたという。沖縄視察の際の飲み食いなどである。
さらに、エコノミストは暗示するにとどめているが、日本の一部報道によれば、大マスコミの官邸記者や政治評論家などにも渡ったという。その額は1人数万円から数十万円にも達するとも言われている。