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“メディアビジネス”継続可能な事業モデルは何か?

変化と進化を先読みする~メディアの未来(最終回)

2012.11.20(火) 藤村 厚夫
    http://goo.gl/js3CY
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 本連載「変化と進化を先読みする~メディアの未来」は、デジタル化の激流の中で明日のメディアビジネスの可能性を検討してきました。第14回めに当たる本稿で、この検討のプロセスにいったん区切りをつけたいと思います。

 今回論じたいテーマは、原点に立ち返りメディアをビジネスとして継続可能なものとするための収入モデルについてです。

Point 未来のメディア、収入モデルの方向性とは!?

メディアビジネスの20年後を意識しつつ

 まず取り上げておきたいオピニオンがあります。米国の起業家が20年後のメディアビジネスが生き残り、かつ成功するための戦略的視点を述べた記事です。

メディア戦略 これからの20年を展望する (Blog on Digital Media)

タブレット端末の利用調査、有料ニュースの支持わずか

メディア大手ニューズ・コーポレーションが発行するiPad専用の電子新聞「ザ・デーリー(The Daily)」の一面を眺める雑誌編集者〔AFPBB News

 この記事では12の戦略的、長期的視点を挙げます。中でも「希少価値を発揮するコンテンツづくりへ」「“体験的価値”に焦点を当てる」「コンテンツと流通、それぞれの力を融合する」「広告価値の減少は継続する」「消費者に支払わせる能力を築く」などは重要です。

 それぞれは、メディアにデジタル化、ハイテク化の波が押し寄せる以前から存在し得た視点ですが、これをめぐって変化の進展が急加速していることを意識しなければならないでしょう。

 さて、これからの20年間を展望してビジネス環境として指摘されている「広告価値は低減を続ける」こと、それに代わって、改めて「読者(消費者)に支払わせる能力を築くこと」が重要であることを記憶に留めて先へ進みましょう。

ペイウォール(電子版有料化)をどう評価するか

 本連載でもすでに取り扱ってきましたが(連載第2回「ペイウォールの向こうにメディアの未来はあるか?」)、数多い米国の新聞メディアがウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の成果を目にして、いま一斉に有料化施策(ペイウォール化)に取り組んでいます。

156紙の米新聞がサイトの有料化を実施、87%がメーター制課金を採用(メディア・パブ)

Newspaper Websites With Paywalls Doubled in a Year [INFOGRAPHIC](「(北米では)この1年で、ペイウォール制新聞サイトが倍増した」Mashable)

20% of Newspapers Now Have Online Paywalls(「(北米では)新聞社の2割が有料サイトを有する」Mashable)

 上記3つの記事は近年、いかにペイウォールを採用した新聞社が多いか、その比率が高まっていることを端的に示します。

 最初の記事の「メーター制課金」とは、無料閲覧可能な記事数を定め、それ以上閲覧する場合は有料といった利用量基準の課金制を指します。例えば日経電子版では無料登録者は20本/月、朝日デジタル版は3本/日といった具合です。

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藤村 厚夫 Atsuo Fujimura

メディアプローブ株式会社 取締役
1954年生まれ。法政大学経済学部卒。株式会社アスキーにて月刊誌の編集長など歴任。その後、ロータス株式会社(現日本IBM株式会社)でマーケティング本部長等を歴任。2000年に株式会社アットマーク・アイティを創業。IT技術者向けのオンライン専業メディア「@IT」を開設。合併によりアイティメディア株式会社代表取締役会長に。現在、メディアプローブ株式会社にて新規事業を担当。
執筆中のブログ:Blog on Digital Media

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