秋のモスクワはコンファレンスの季節である。
10月2~4日、今やロシア最大の投資銀行となったVTBキャピタルが主催する毎年恒例の「Russia Calling」 投資コンファレンスが開催された。
コンファレンスシーズンを迎えたモスクワ
報道によればスピーカーにはウラジーミル・プーチン大統領をはじめ政財界の大物が顔を揃え、世界各国から投資家を中心に1800人のゲストが集まったという。
筆者も例年はこのコンファレンスに参加するのだが、今年は見送った。
それは同じ時期にモスクワ側の対岸、旧ウクライナホテル(現在はラディソン・ロイヤル・ホテルとしてモスクワ有数の高級ホテルに生まれ変わっている)で開催された「Global Innovation Partnership 2012 Asia-Pacific Business Trip to Russia 」(以下GIP)に参加したためである。
GIPはロシアの政府系ベンチャー投資会社であるロシアベンチャー会社(Russian Venture Company=RVC)、プーチン大統領の肝入りで設立されたテクノロジー投資会社ロスサノ(Rusnano)、そしてロシア版シリコンバレーの主体であるスコルコボ(Skolkovo Innovation Center)が共催する、海外投資家向けのインベスターツアーである。
GIPの始まりは2010年にロシア側の招待で当時のアーノルド・シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事が米国のベンチャーキャピタリストたちを率いてモスクワ訪問したことだった。
確かにこれをきっかけに米国ベンチャーキャピタリストがロシアのベンチャー投資への関心を高めたことは事実である。
これに気を良くしたのか、昨年はヨーロッパの有力ベンチャーキャピタリストを招待、そして今年はアジア・パシフィック諸国の投資家を招待しての開催となった。
アジア・パシフィックであるから、これには当然、日本も含まれるはずなのだが・・・予想されたことであるが、日本からの参加応募は筆者のみだったらしい。