アップルが先週発表した7~9月期の決算は、売上高が市場予想を上回ったものの、利益は予想に届かなかった。
またアイフォーン(iPhone)の販売台数は市場予想を超えたが、アイパッド(iPad)やパソコンのマッキントッシュ(Mac)、そして粗利益率はいずれも予想を下回り、アップルの成長を見極めたかった投資家には腑に落ちない内容だった。
アップルはこの決算発表の2日前に、アイパッドの小型モデルなど合計5つの新製品を発表しており、これらを年末商戦に向けて一斉に発売する。
こうしたことから投資家やアナリストの関心は次の10~12月期決算に注がれており、アップルの経営陣に対するプレッシャーも強まっている。
iPadは買い控えで予想に届かず
7~9月期のアイフォーンの販売台数は、1年前から58%増の2691万台だった。これは好調に見えるのだが、新製品発売前の減速期であった4~6月期の2603万台からわずかに増えたという程度。
アップルは9月21日に新モデル「アイフォーン5」を発売しており、7~9月期の決算ではこれがわずか9日分しか反映されなかった。
アイパッドは同26%増の1404万台で、市場予想の1650万~1760万台を下回ったほか、4~6月期の1704万台からも大きく落ち込んだ。アイパッド・ミニの発表は10月23日だったが、7~9月の時点ですでに噂が広まっており、消費者が買い控えたと見られている。
さらにアップルは先週、アイパッドの第4世代モデル、ノートパソコン「MacBook Pro」、デスクトップパソコン「iMac」「Mac mini」の新モデルを発表している。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)によれば、このように数多くの製品を一斉に市場投入するのは同社の歴史で初めて。こうした前例のない新製品攻勢が10~12月期の決算にどう反映されるのか、投資家やアナリストが注目しているというわけだ。