韓国サムスン電子の液晶ディスプレイパネル事業、サムスンディスプレイが米アップルとの部品供給契約を来年にも打ち切ると、韓国日報系の英字紙コリア・タイムズが報じたことが話題になっている。
複数の海外メディアによると、サムスンの広報担当者はこの報道を受けて「事実でない」と否定しており、コリア・タイムズに記事の訂正を求めると話したというが、コリア・タイムズはサムスン内部に情報源を持つようで、あながち信憑性がないとも言えない。
アップルとサムスンが互いにモバイル端末の特許を主張して法廷闘争を繰り広げていることを考えると、両社の取引関係に変化が生じていても不思議はないようだ。
「段階的に減らし、来年には停止へ」
コリア・タイムズが引用した米市場調査会社NPDディスプレイサーチのデータよると、今年上期の6カ月間にサムスンディスプレイがアップルに供給したディスプレイパネルの数は1500万枚。
同じ期間には韓国LGディスプレイが1250万枚、シャープが280万枚をアップルに供給しており、サムスンディスプレイの供給量が最も多い。
ところが、サムスンディスプレイが7~9月にアップル向けに出荷したパネルの数は300万枚、この10~12月期には150万台に減る見込みで、匿名のサムスン幹部はコリア・タイムズに対し「こうしてアップルへの出荷量を段階的に減らし、来年には完全に止める」と話したという。
情報筋によるとその理由はアップルの大幅な値下げ要求。
アップルとサムスンディスプレイは液晶パネルの供給に関して長年業務提携してきた。しかし最近はアップルのサプライチェーン(部品の調達・供給網)管理体制が厳しさを増しており、これに伴ってサムスンディスプレイの利益率が急激に悪化しているという。
サムスンディスプレイはこれを補うため、サムスン電子の携帯電話部門と米アマゾン・ドットコムからの受注を増やし、両社のタブレット端末に部品を供給していく。